小夜里

高齢猫まあちゃんの日記

マルの里親になる③

 私は先ずマルに春夏秋冬を感じてもらいたかった。

なので、先ず始めにベランダの外に

出してみた。

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初めて出たベランダのマル

 

季節は2月だったが寒い。

マルは外に今まで少ししか出ていなかったので風邪をひいたら大変だと思い、5分ほどで中に入れた。

 

マルは外に興味はあるものの、自分から出ようとはしないし脱走の意欲は無いようだった。

 

猫なのだから特に外に出す必要は無いが、せっかく産まれて来たのだから外にいる猫や植物、雨や雪、風邪、陽ざし、コンクリートや土の道などあらゆる物を見て感じてほしかった。

 

私はインターネットでハーネスを探して見ることにした。

なかなか猫でハーネスをしてくれる子はいないと聞いていたが、ダメもとでも良いからと探してみた。

すると、あるハーネスを見つけた。

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マルのハーネス

 

一帯にはなっているが、上部と下部を別々に装着するものだった。

上手く着けさせられるかも不安だったが、購入してみた。

 

物もしっかりしていて、説明書も分かりやすかった。

ただ、リードと別売りになっていて価格が合わせて5000円かかった。

 

あまり安い物を購入し、スあルっと抜けてしまっても困るので、このくらいの金額がかかっても仕方ないのかも知れない。

 

早速、説明書を読みマルに臭いを嗅がせてから装着してみた。

初めはちょっと抵抗したが、着け終わると固まっていた。

「マルちゃん大丈夫?」と声をかけるが動かない。

なので、説明書を読み返すと

「着けた直後は動かなくなりますが大丈夫です。」

と、あった。

 

なので、私はマルのお尻をちょんと押してみた。

すると、「にゃ~」と低い声で鳴き玄関の外に出た。

 怖々と外に出ると、臭いを嗅ぎ始めた。

 

頭上を鳥が飛んでいるのを見ると、身を縮めて固まっている。

自分の頭上を飛んでいる経験など今まで無かったのだろう。

 

30分以上かけて、やっと階段の踊り場まで来た。

しかし、大きな音がすると急いで玄関前に戻ってしまう。

階段の下に降りるにはかなり時間がかかるだろうけど、仕方がない。

ちょっとずつ慣れていつか下に降りれると良いなと思った。

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階段の上から見下ろしている。

 

 なるべく時間が空いた時に、外に連れて行くようにした。

 

すると3ヶ月程たった時に階段を降りだした。

一番下までは行けなかったが、何段か少しずつ毎日降りるようになった。

 

半年以上経って、やっと下の庭まで行くことが出来た。

マルはとにかく臭いを嗅ぐ。

何でも嗅ぎまくる。

その真剣な顔がユニークで可笑しかった。

その日から、マルは庭迄は行けるようになった。

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庭の植物の臭いに夢中のマル。

 

門から誰かが入って来たりすると、凄い勢いで逃げてしまう。

なので、ハーネスが抜けてしまわないか心配でたまらなかった。

「そうか、マルは人見知りだったんだ!猫は昔、同居していた猫もいたし大丈夫なのかな?」と勝手に解釈していた。

 

庭内に外猫ちゃんが入ってくる事も勿論ある。

なので、かち合ってしまうとどうなるかはわからなかった。

 

ある日、その外猫ちゃんがマルの前を通ってしまった。

私は緊張してハーネスが外れないようにベルトを止め直した。

すると、驚く行動にマルは出たのである。

 

相手の猫は、かなり大きい。

最近の外猫ちゃんは餌も沢山もらっているようで、マルの2倍もあった。

喧嘩など始まったら確実に家猫のマルが負けるのは、間違いない。

 

なのにマルは、その猫に向かって行きシャーシャーいいだしたのである。

驚きである!

 

すると外猫ちゃんはスーと逃げてしまった。

「マルちゃん女の子なのに強いな~怖く無かったの?」

と話しかけると、どや顔で満足そうな顔をしていた。

きっと、縄張りを守れて満足だったのだろう。

 

そして、家の玄関の門から出る日が来た。

マルが自分から出ていかなければ意味がない。

ここに来るまで一年以上は経っている。

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左右確認!

 

さあ!マルちゃん行きますか!とゆっくり門をあけてみると、

様子を伺いながら低姿勢でそろりそろりと歩き出した。

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さあ!出発だ!