小夜里

高齢猫まあちゃんの日記

茶々捕獲~2回目の挑戦~

猫の悲しい声は聞きたくない。

まあちゃんは、相変わらずキャットハウスにいたが、夜間部屋を巡回するようになった。

もちろん、まだ私たちの前では歩くことは無かったが、隣の寝室の窓付近に、まあちゃんの毛が落ちていたり、マルの爪とぎに根気強く研いだ後があった。

まあちゃんは、自分が行き来していた山を見たいのだろうと思い、その日から雨戸は閉めないことにした。

 

早朝は変わらず茶々だけが来ていた。

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茶白柄の茶々

誰もいなくなったが、茶々はかなりのビビりなので、一匹の方が問題なく食べていた。

しかし、茶々は桜耳ではない。

もし、赤ちゃんが出来れば増えてしまう。

その猫に餌をあげ続けて、子猫が産まれたらほっておくことなど出来るはずがない。

困った。また捕獲か。悩む。

 

近所の猫を飼っている方から、駐車場で3日に1度、茶々や他の猫にに餌をあげていると情報がはいった。

だから、毎日はこなかったのだなと思った。

 

茶々は、4匹兄弟だったが3匹は子猫の時に亡くなったそうだ。

なので、完全なる野良ちゃんと確信した。

 

捕獲は、まあちゃんの時にかなりドキドキしていたので、出来れば直ぐにはしたくなかった。

しかし、目も見えているのかも気になっていた。

まあちゃんと一緒に来ていた時は、気配で来ているんだろうと思っていたが今は一匹のみだ。

早く病院で診てもらう必要があるしと悩んだ。

セミナーの方に伝えると

「子猫ラッシュは4月だからね」と言われた。

 

「あ~どうしよう」あの時の緊張感が襲ってきた。

何でもかんでも一人だと不安感が激しく襲ってくる。

餌を食べに来てくれなくなるかも知れない。

でも、捕獲して虚勢手術しなければ増えてしまう。

 

とりあえず、1日考える事にした。

翌朝決心した、

 

翌朝、病院に予約を入れ捕獲器を借りにいった。

今回は2度目だったので、持ち帰ることになる。

チラシは手術の予約もしてあったので、その場で作成して頂き80枚配ることにした。

「もちろん飼い主さんがいたら捕獲は中止ですが、捕獲できたら飼い主がいないと言うことで大丈夫です」

「もし、去勢していた場合は耳カットしてもらいますか?」

と聞くと

「してもらって下さい」

と言われた。ホッとした。

自分ではどうすれば良いのか決められなかったので助かった。

 

病院を決めるときも、桜耳の耳カットの仕方選びで悩んだ。

確かに、カットしてあれば確実に見分けがつく。

でも、生き物の耳をマークを付ける為に切る。

この行為に私はなんだか心苦しかった。

 

耳カットは、病院でのやり方の差があるらしい。

可愛く桜耳型。これが一番の理想だが、ちょっと上部を切るだけと一緒で逃げてしまう猫を確認するのは難しい。

なので、かなりザックリと水平に切る。

これは、ちょっと遠目から見てもわかるが気の毒に思える程、無惨なかたちである。

しかし、安全に対応してくれる病院に任せるのが一番だと思い、

今回も前回まあちゃんを捕獲時に行った病院に決めた。

 

捕獲器を持ち帰り、チラシを早速配りに回った。

チラシを配るのも大変だ。ポストに入れれば良いだけだが断りの張り紙や入っていって良い場所かもわからない家もある。

とりあえず、犬を飼っている家とアパート以外に配ることにした。

 

うちの近所には首輪はしない飼い猫もいる。

今回の捕獲で、首輪を着けるようになってきたと情報がはいった。

それだけでも有りがたいと思う。

 

町内全員が飼っている猫を知っている訳ではないのだから、マイクロチップが入っていなければ分からない。

保健所に通報され連れていかれてしまったら、後悔しかない。

また、首輪が着けられず外飼いされている方もいた。

その方々は区役所に「もし、違う猫が入ったらどうなるんですか?」

という問い合わせもあったという。

チラシの写真の子しか捕獲されないとわかると、安心されたようだ。

 

家に帰り、捕獲器をセットした。

茶々は早朝しか来ないので、準備には余裕があった。

 

翌朝、前回と同じようにえさを奥に置き一週間慣れさせた。

 

捕獲当日が来た。

ただ、茶々は来ない日もあったが、きっと3日に1度の餌やりさんも、この日は餌をあげないだろうと思った。

 

案の定、窓のカーテンを開けると茶々がいた。

早々に餌を持ち、ドキドキはしていたが2度目の捕獲ということもあり、玄関を明け餌を捕獲器に入れた。

素早く部屋に戻り、紐を握り紐を切るとハプニングが起こった。

油断してしまい、紐を半分まで下ろしてしまったのである。

「あ~やっちゃった」と落ち込んでいると、茶々はすごい勢いで逃げていった。

「油断しちゃったよ、マル」

と、窓を覗き混んでいたマルに言った。

紐を固定し直し餌を取りだし、再度茶々を待つことにした。

 

捕獲するときに、もし途中で逃げたとしても全部扉を閉めなければ、またくる可能性もあると聞いていたので、諦めず待つことにした。

そして1時間程待つと茶々がまた来てくれた。

餌を入れ部屋に戻り見守るが、入る様子はない。

また、どこかに行ってしまった。

 

でも、直ぐに戻って来たので、餌を入れ逃げる。餌を出す。

を5回ほど繰り返した。

もう今日は無理だなと諦めると、茶々が警戒しながら捕獲器に入った。

「まあ良いや。茶々も疲れただろうしダメもとだと思い紐を切るとガシャンと扉が閉まり捕獲成功した。

 

茶々はまあちゃんより3倍は大きい猫だったので、窮屈ではないか心配した。

しかし、中でパニックになりクルクル回っていたので大きさには問題はなかった。

それより気になったのが、泣き叫ぶように泣く鳴き声だった。

 

私は急いでタオルケットで捕獲器を覆い、「大丈夫だよ茶々」と何度も声をかけた。

この日も雨。寒さも強いので玄関の中に入れる事にした。

中に入れると鳴き声はさらに大きくなり、マルは直ぐに捕獲器の様子を見に来た。

しかし、今回は前回のように鳴き声は収まらず家中に響いた。

3階に居るまあちゃんが不安にならないように急いでドアを閉めに行き、茶々が落ち着くのを待った。

しかし、鳴聞こえは収まる事はなくだんだん声が掠れていた。

 

病院には8時迄に連れて来るように言われている。

家を7時に出ればまにあうので、それまで約4時間茶々には我慢してもらった。

 

時間になり、タクシーを呼び出発した。

今日も雨。タクシー内を汚さないように配慮し乗り込んだ。

 

無事に到着して開院前の為インターフォンを鳴らした。

「はい」

「本日虚勢手術の予約をした者ですが」

「はい、今行きます」

と言われた。

 

この病院は上の階が自宅になっているようだ。

 

待っていると、奥さん看護士さんが来た。

「電話かかってくると思って待っていたのよ。ほら、捕獲できない場合もあるでしょ」

「すみません。電話入れればよかったですね」

と返した。

開院前だし電話しようか迷ったが、時間も言われていたので直行してしまった。

しかし、気にする事もなく

「はい、じゃあ助成金の書類あるかしら」

「はい、写真はデジカメ預ければ良いですか?」

「写真は大丈夫。こっちで写してプリントして渡すから」

何もかもスムーズ。

いつ来ても居心地が良い病院だった。

「じゃあ、こっちに」

と、茶々を入院室に運ぶと大きいケージの中に捕獲器ごと入れた。

ワクチン、ノミの駆除、あと目の診察をしてもらうようにお願いした。

 

「お迎えは3時30ふん頃電話してから来てください。麻酔が切れていないかも知れないから」

そう言われ、帰宅した。

 

その30分後に携帯が鳴った。

病院からだった。

 

「さっきの猫だけど、もうしてあったわよ。メスでお腹に綺麗に縫った後があったから。」

「そうなのですね!では、耳カットのみお願いします。あとノミの駆除とワクチンおねがいします。」

「お腹切らなかったし、耳はちょっとだから抗生剤はいらないよ」

「わかりました。じゃあ3時30分過ぎに電話しますね」

と言い電話を切った。

 

「あ~じゃあ誰かが手術をしてくれていたんだ。」と安堵した。

時間になり電話を入れた。

「あっ大丈夫よ。手術もしていないから麻酔から覚めてるし」

私は急いで病院に向かった。

なぜなら、麻酔が覚めるまで捕獲器に入れておくことを聞いていたからである。

茶々が目が覚めてから少しでも早く解放してあげたかった。

 

病院に着き、書類を受けとると一緒に写真も頂いた。

見てみると、耳カットの部分は少し水平に切ってあった。

しかし、何故だろうちょっとホッとした。

ザックリじゃなかったからかも知れない。

 

「この地区と同じじゃないから録り方が一緒なら良いのだけど」

と言っていた。

そうか!区によって書類の申請が異なるのか!

と思った。

しかし、もし助成金がでなかったとしても今回は麻酔のみなので構わなかった。

支払いを済ませて、確認した。

「捕獲器から出したら何か食べさせてもいいですか?」

「あ~直ぐに食べちゃうと吐いちゃうかも知れないからやめた方が良いわよ。

朝方、捕獲したときに少し食べたでしょ。なら大丈夫よ。

あと目だけどこれは昔、喧嘩して傷ついたのだと思う。なので治療しても治らないよ。」

「先生、この子の目は見えているんですか?」

「見えているけど濁っていて、白くボヤけて見えている感じかな」

そうか、だからショボショボしてるのかと納得した。

 

タクシーを呼び、待っている間に

「この子はよく鳴いたわよ、とにかく声が大きい」

と言われ、病院の猫ちゃん達に迷惑をかけたのではと思い謝罪した。

「大丈夫よ」と言ってくださりお礼を言い、支払いを済ませて到着したタクシーに茶々と一緒に乗り込んだ。

 

帰宅し、家の1階で出そうと思ったが、後日また来てくれるようにと同じ場所から解放する事にした。

捕獲器を縦にして扉を開けて水平にすると茶々が必死に階段を降り逃げていった。

私は「また、来るんだよ!」と叫んだ。

本当に茶々はまた食べに来てくれるのだろうかと不安になった。

 

ずっと捕獲器の中で怖い思いをして、お腹もペコペコで、、、。

もし自分なら気がおかしくなるだろうと思った。

少しでも「頑張ったね、ごほうびだよと美味しい物を食べさせたかった。」

 

捕獲器を見ると、中に敷いていたペットシーツがおしっこで汚れていた。

こんな中にずっと居させたんだと思うと落ち込んだ。

 

2ヶ月が過ぎ茶々が来た。

しかし、他の子の残りの餌を食べようとしたときに私が思わず「茶々!」

と声をかけてしまい逃げていってしまった。

 

また何日か過ぎて茶々が階段の上にいた。

他の子の食べているのを見つめていた。

食べ終えると餌は残っておらず、茶々は諦めて帰って行った。

 

次にまた来た時には食べられるようにと容器を増やしておいたが、

今現在茶々は来ない。