まあちゃん元気になる。
まあちゃんの為なら、猪突猛進!
自転車に乗り、2駅先にある病院に自転車で向かった。
方向音痴なので無事に着けるか不安もあったが、まあちゃんの為だと思い地図を確認してから出発した。
暫く走ると駅が見えてきた。
「向こう側に越えれば直ぐだと確信し、渡る道をさがしたが何度もグルグル回ってしまい迷路にはまってしまった。
冷静にならなければと一度止まり、周りを見回し少し戻ると高速道路のような道から自転車が降りて来るのがみえた。
「あれだ!」
と、わかり反対側の歩道を自転車を押しながら登った。
半分の距離でもかなりあったが何とか登り、下り坂になるとペダルを漕がなくてもスイスイ降りる事が出来た。
病院が見えて無事到着した。
まだ開院していなかったので、入り口で待つ事にした。
その時に丁度宅配の方が自転車で止まった。
時間もあるので声をかけてみた。
「向こう側に行くには、この道路を登らないといけませんよね?」
「行けますよ、この道を真っ直ぐ行き駅が右側にあるのでエレベーターに乗って2階に上がると歩道橋に出るので、少し歩くと下りのエレベーターで下りれば反対側に行けます。」と丁寧に教えてくれた。
「エレベーターは自転車乗れるのですか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「私、この道路で越えてきました」
「え!そこ行かなくても向こう側も同じですよ」
と言われ、なんだかなと思った。
「助かりました。教えていただいてありがとうございます」
とお礼を言い、病院に入った。
やはり、人に聞くことも大切だなと実感した。
特に方向音痴の私には、目から鱗だった。
病院に入ると受け付けには誰もいなかった。
診察室の窓から飼い猫ちゃんがじっと私を見つめていた。
”この呼び鈴を押して下さい”とベルが置いてあった。
鳴らしてみると、「はい」と返事と共に奥さん看護士さんが出てきた。
「この間捕獲でお世話になった者ですが、その子が鼻づまりとくしゃみと涙目が酷いので薬が欲しいのですが、、、。」
「はい、良いですよ。猫の名前は?」
と言うと「まあちゃんですから、”まあ”ですね」
「まあちゃんね。じゃあ、ちょっと待ってて」
と前回の書類を確認して、奥に入って行った。
すると、さっき私を見ていた猫ちゃんが受け付けの椅子にちょこんと座った。
とても美人さんな猫だった。
「はい、お待たせしました。この薬で様子を見てね。1日1回で飲ませてね。」
「ご飯に混ぜても良いですか?」
「良いわよ。」
会計も済んで、先生夫婦に挨拶をして家に戻った。
家に着き、まあちゃんの様子を見ると、スヤスヤ寝ていた。
日課のマルの散歩を済ませ、夕方の餌の準備して、自転車でかなり体力消耗したので昼寝をして、夕方になりまあちゃんに飲ませる薬を少量のおやつに混ぜた。
先におやつをキャットハウスに入れるとペロペロ舐めて薬も小粒の為、スムーズに飲み込んでくれた。
ご飯が終わり様子を見ると、まあちゃんは寝ていた。
この薬が効いてくれる事を祈るしかなかった。
3日程経ち、まあちゃんの鼻づまりも落ち着いてきた。
しかし、まだくしゃみは出るようだった。
セミナーの方に、まあちゃんの様子をメールした。
「良かったね。でもご飯が足りないから風邪をひいてしまったと言うことはない?
私が言ったから食べてないのでは?もし、あまり食べないようなら何度かに分けてあげてみてね。」
と返信がきた。
私も風邪もひいているので、餌の量は気になっていた。
半量まあちゃんが食べキャットハウスに戻ってしまう。
なので、ハウスの中にてで支えながら入れると、尻尾に私の手が当たっていることも気にせずに食べ出した。
それをメールで伝えると「いろいろ工夫してくれたんだね」ときた。
良かった。何とか間違ってはいなかったのだと安心した。
薬を飲ませて6日目、初日に薬を飲ませた時より鼻が出ているように感じた。
鼻づまりは改善したので様子をみることにした。
最後の7日目の薬を飲ませる時も変わらなかった。
「明日電話で聞いた方が良いのかな」
と思いながら、その日は終わった。
翌朝、3時に起きまあちゃんを覗くとミャーミャーと声がした。
「おっ元気になってきたんだ!良かったね」
と声をかけた。
下の階におり、マルに餌をあげテレビを見ていると、
「ミャ~オミャ~オ、ミャ~オ!」と声がした。
上の階からまあちゃんが呼んでいる声だ。
まさかと思いながら餌を持ち上がると、私が見えた途端に鳴き声は大きくなった。
目の前に並べていると待ちきれない様子で、ハウスから顔を出していた。
起き終わると直ぐに出て来て食べ始めてくれた。
あ~良かった。
元気になったようだ。
鼻づまりも解消して食欲もあれば、もう大丈夫かなと安心した。
病院で薬貰えたお陰だ。感謝しなくちゃと思った。
まあちゃんは食べ終わると、またハウスの中にもどった。
焦らず、ゆっくり慣れてもらえれば大丈夫と自分に言い聞かせた。
ほんとなら、まあちゃんと言いながらナゼまくってあげたい気持ちでいっぱいだったが、自分で自分に「だめだよ!」と言い聞かせた。